中古市場 2018 12 24

2018年12月24日の日本経済新聞の電子版には、このような記事がありました。

 日本政府は、航空自衛隊が保有する戦闘機「F-15」の一部をアメリカに売却する検討を始めた。
F-15は、国内に約200機あり、航空自衛隊で防空の主力を担ってきた。
約半数は搭載する電子機器を更新するなど近代化改修を順次進めてきた。
 今回売却を検討するのは、設計上、電子機器を更新できない旧型の約100機。
政府は18日の閣議で、この旧型をより能力の高いF-35に順次置き換える方針を決めた。
政府はF-35の追加取得を巡るアメリカ側との交渉で旧型F-15の「下取り」を打診した。
 日米関係筋によると、アメリカ側は日本から旧型F-15を購入し、
空軍力が脆弱な東南アジアなどに売却する可能性も含め検討する意向を示した。
 アメリカ側には、戦闘機を安価で提供して空軍力の強化を支援し、
南シナ海で活発な活動を繰り広げる中国などをけん制する狙いがありそうだ。
(引用、以上)
 このような戦闘機の中古市場のビジネスは、
日本には経験がないので、
アメリカが仲介することになったのでしょう。
 これも日米同盟の象徴となるとともに、
日米同盟が東南アジアの安定に寄与すると思います。
 一方、アメリカにとっては、
中国の兵器ビジネスを阻止する狙いがあるかもしれません。
 中国の兵器は、ロシア兵器のコピーと言われていて、
開発費用がないぶん、安いものになっています。
しかし、改良を重ねているので品質が良い。
 そういうわけで、新興国にとって、
中国の兵器は、「お買い得」になっています。
 アメリカの兵器は、非常に高いので、
金持ち(先進国)専用となっています。
 今回の日米間の検討は、
このような兵器市場の現状を変える一歩かもしれません。
 ところで、日本は、アメリカから、
F-22ステルス戦闘機を「中古で」購入できないかを検討すべきです。
 F-35は、戦闘爆撃機なので、スクランブルには向いていません。
スクランブルに向いているのは、F-22のほうです。
 アメリカは、次期戦闘機を開発しているので、
F-22を中古として日本に売却して、
次期戦闘機の開発費用に充てるという方法があるでしょう。
アメリカ連邦議会も喜ぶと思います。

スクランブル 2018 7 14

 スクランブルとは、
日本の領空に近づく国籍不明機に対する
戦闘機の緊急発進のことです。

2018年7月6日のロイターには、このようなニュースがありました。

 アメリカのノースロップ・グラマンが、
約30年ぶりに戦闘機開発への復帰を目指している。
 アメリカ空軍の主力機選定で、
ロッキード・マーチンに敗れて以降は、
戦闘機製造から遠ざかっていたが、
日本の航空自衛隊の「F2」後継機開発への参画を模索している。
(引用、以上)
 ノースロップ・グラマンと言えば、
私は、「YF-23」を連想します。
 ノースロップとロッキードは、
アメリカ空軍のステルス戦闘機の開発で競合しましたが、
ロッキードの「F-22」が勝利を収めました。
 どうして「YF-23」は敗れたか。
「YF-23」は、当時にしては斬新的なデザインで、
まるで「宇宙船」を連想させるようなものでした。
 一方、「F-22」は、伝統的なデザインを継承して、
メンテナンスが優れていると言われました。
 さて、私の机の上には、
ロッキード「F-35A」の模型があります。
そのほかに、「フェラーリ488」の模型もあります。
 私は、「工業デザイン」に興味があって、
このような模型が置いてあるのです。
 「F-35A」は、机の上にあるので、
いつもを眺めていますが、
日本の防空には適していないと思っています。
 「F-35A」は、戦闘爆撃機です。
特に爆撃性能は、非常に優れています。
 これは、空中給油機の支援を受けながら、
高度なステルス性能を発揮して、
敵国の奥深くまで侵入して、
軍事施設を爆撃するという想定が考えられます。
 また、「F-35A」は、
「空飛ぶネットワーク・システム」と言われ、
まるで「コンピューター・ネットワーク」が空を飛んでいるようなものです。
このような機能は、先制攻撃や本格的な戦争には極めて有効でしょう。
 ところで、日本の空軍は、
日本の領空に近づく国籍不明機に対する
スクランブルがメインになっています。
 そうなると、「F-35A」は適してないことがわかるでしょう。
スクランブルでは、国籍不明機に対して、
日本の戦闘機が近づいているとわからせる必要があります。
 そのため、国籍不明機のレーダーには、
日本の戦闘機がスクランブル発進をして接近しているという状況表示が必要です。
 もし、ステルス戦闘機がスクランブル発進すると、
国籍不明機のレーダーには、何も映らないので、
ステルス戦闘機には、「レーダー反射板」のようなものを取り付ける必要があります。
 さて、国籍不明機に対しては、「目視」で確認する必要があります。
つまり、目視できるほど、接近する必要があります。
 不測の事態が発生するのは、このような時でしょう。
ドッグファイト(格闘戦)をするにしても、
ドッグファイトを避けるにしても、
戦闘機には、非常に高度な機動性が必要です。
 ところで、ステルス性能を発揮して、
敵機に気づかれる前に長距離のミサイルを発射して、
決着をつけるという状況は、
本格的な戦争になった場合や先制攻撃の場合です。
 日本の場合は、専守防衛という国是からすると、
先制攻撃はないでしょう。
 本格的な戦争の場合は、日米軍事同盟によって、
アメリカ軍とともに戦うでしょう。
 さて、こうしてみると、
日本の戦闘機には、ステルス性能は、それほど必要ないが、
「非常に高度な機動性」が必要となります。
 しかし、今の時代は、ステルス全盛の時代なので、
ステルス戦闘機でないと、誰もが納得しないでしょう。
 そうなると、「F-22改良型」か「YF-23」となります。
しかし、「YF-23」は、試作機が2機作られただけだと聞いています。
 試作機というと、既存戦闘機の部品を流用して作られるものですので、
「YF-23」を選択した場合は、ゼロから開発するようなものです。
 一方、「F-22改良型」にしても、
アメリカ空軍は採用しないでしょうから、
「生産台数」は少なくなり、単価は高いものとなります。
実に悩ましいものです。







































































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